2021年7月3日(土)11:30~13:00
山木しおり氏(有限責任監査法人トーマツ/2019年度より徽音塾塾生)

2021年度ネットワーキングランチ第2弾として、2019年度より当塾塾生となられた山木しおり氏(有限責任監査法人トーマツ)に「女性活躍?いやいや、私くすぶってますから。繋がりの先に見えたもの」のタイトルでお話しいただきました。

初めに、山木さんがどのようにこれまでを過ごしてこられたのか、履歴書のような「表向きの経歴」と、その経歴からは読み取ることのできない、捉えることのできない「実際の経歴」を突き合わせて比較しながらご紹介いただきました。「表向きの経歴」では華々しいご経歴とともに女性として社会から期待されるキャリアをたどる様子を見て取ることができますが、「実際の経歴」では、一身上の都合による退職や体調不良による休職、仕事も満足にできていない状況の中での結婚や妊娠に対する不安、社会人になってからのキャリアブランクについてお話しされ、「こんなはずじゃなかった」と思われることが何度かあったとの言葉に重みを感じました。

まずは仕事に対する自信をつけるために、当塾の説明会に参加くださったとのお話しがありました。実は、私ども事務局も山木さんが説明会に参加された様子と説明会の場で多数の講座受講にお申し込みをいただいたことについては今も鮮明に覚えており、お話をお聞きしてとても懐かしい気持ちになりました。

自己紹介に続き、特に印象に残った徽音塾での学びを通じて、ご自身の中での「気づき」につながった徽音塾でのエピソードをお話しいただきました。徽音塾受講中にご出産も経験されて思考が切り替わり、「今の自分が大正解、だから、これまでの選択は全て正解であった、くすぶっていた過去も最善を尽くしたからこそ今に至ることができた」とのお話に、参加者全員胸が熱くなりました。

この思考の切り替わりを経験した後、山木さんはネットワーキングランチの企画(これまでに3件:2020年8月開催ルワンダ発ソーシャルビジネス~女性起業家の歩き方~2020年9月開催哲学Café~哲学を、もっと身近に~2021年3月開催心に癒しの一滴。ハートフルおしゃべり会のキキメと余韻)を行い、徽音塾でともに学ぶ塾生たちにも知ってほしい、活用してほしい、との気持ちだけでなく、ご自身がよいと思うことは次々にチャレンジするようになったそうです。そして、この企画を通じて「バイタリティ」や「行動力」、「論理的思考能力」や「課題解決能力」、「優しさ」や「思いやり」が身についていることに気づくことができたとお話しいただきました。

なお、今年度開講科目「子どもとは何か~子どもと過ごし関わる中で問い続ける(女性のエンパワーメントとリーダーシップ講座、2021年5月)」を受講された際には、子ども時代のたくさんの楽しい思い出や経験が自分自身の「生きる土台」になっていることに気づくことができたそうです。

徽音塾における交流と学びから多くの気づきを得ているとのお話に、私ども事務局も徽音塾を十分に活用いただけたことをうれしく思いました。

参加者からは「不満や受け入れられない事に囚われ続けるのではなく、いろいろな経験から自分で咀嚼し栄養になって、今の山木さんに繋がっているのだと思いました。自分を俯瞰して見ていて、今回の講座のようにお話くださることは自分を深掘きできていてすごいと思います。私も自分自身を振り返ってみたいと思います。」、「お子さんの存在がこれまでのご自身を肯定し、これからの目標にもなる、とても素敵な関係だと思いました。」などの感想をいただきました。

山木さんは今回の発表資料を作成するにあたり、改めてこれまでを振り返ることで、ご自身の中で自制心やレジリエンスが育まれていることに気づき、当時は身に付いていなかったセルフケア•ヘルプ能力も今は高まっていることに気づいたとのことです。山木さんのお話をお聞きし、これまで「くすぶり」と感じていたモノ・コトは全て「今の山木さん」と「これからの山木さん」に「つながる」ために「必要」であったと、参加者の誰もが思ったはずです。どんなにつらく大変なことが起きても、自分の選択を後悔したくなることがあっても、自身のこれまでを「認め」、これまでの頑張りを「褒め」、これまでの自分に「感謝する」こと、それが「くすぶり」思考を切り替え、一皮むけて「成長」するのだ、ということを学んだネットワーキングランチでした。

文責 内藤 章江(グローバルリーダーシップ研究所 特任講師)