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01⑦7月1日(土)SDGsについて学ぶ ③⑫⑬「私たちと地球の健康 ~食から地球環境を考えてみよう~」
赤松 利恵[お茶の水女子大学 副学長(広報・学術情報担当)附属図書館長 基幹研究院自然科学系教授]
【プロフィール】大学生活科学部食物栄養学科にて、栄養教育論、栄養カウンセリング論等を担当。行動科学を用いた栄養教育の実践に向けて、食行動の変容に関する研究を行っている。国の検討会委員も多数行っており、2021年厚生労働省「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」委員、2022年から「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」委員を務めている。
【講義内容】食品ロス削減への取組が注目され、飲食店では、残さず食べましょうと呼びかける自治体も出ています。しかし、飲食店で提供される一食あたりのエネルギー量は適正量を超えているという報告があり、もし、残さず食べると多くの者が食べ過ぎになります。また、私たちの健康にとって良いとされる栄養バランスのとれた食事でも、使われる食品によって環境負荷が異なります。この講義では、私たちの健康と地球環境の課題解決に向けて、私たちに何ができるかを、一緒に考えます。[キーワード]健康、食ロス、飲食店、健康教育
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02⑧7月8日(土)SDGsについて学ぶ ③⑦「ジェンダード・イノベーションのすすめ ~多様性を包摂する社会の実現を目指して~」
佐々木 成江[お茶の水女子大学 ジェンダード・イノベーション研究所 特任教授]
【プロフィール】1993年お茶の水女子大学理学部卒。95年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。98年同大学院博士課程修了。博士(理学)。お茶の水女子大学にてポスドク、理学部助手、特任講師を経て、07年に名古屋大学男女共同参画室特任准教授。10年に同大学大学院理学研究科准教授。19年に、クロスアポイントメントにてお茶の水女子大学准教授および学長補佐を兼務し、ジェンダード・イノベーション研究所の設立に関わる。22年より、現職。
【講義内容】科学技術分野における研究や技術開発は、男性を対象または基準として進められることが多く、性差が見過ごされがちでした。しかし近年、欧米において研究や技術開発のデザインに積極的に性差(セックス/ジェンダー)分析を組み込むことで新しい発見やイノベーションを目指す「ジェンダード・イノベーション」が広まってきています。そして、日本でも、2022年4月にお茶の水女子大学にジェンダード・イノベーション研究所が設立されました。本講義では、国内外におけるジェンダード・イノベーションに関する具体的な事例や研究所の紹介を行います。
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03⑨7月15日(土)SDGsについて学ぶ ⑬⑭⑮「生物の“多様性”から考える理想の未来像」<ハイブリッド(対面・オンライン)>
嶌田 智[お茶の水女子大学 基幹研究院 自然科学系 教授]
【プロフィール】北海道大学大学院理学研究科生物科学専攻博士課程修了。博士(理学)。北海道大学創成科学共同研究機構・助教を経て、2008年よりお茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科・准教授、2019年4月より現職。マリモや“海の森”の系統分類学、保全生態学、環境適応分子進化学に関する研究を進めている。現在、環境省希少野生動植物種保存推進委員、レッドリスト分科会委員として、絶滅危惧種のカテゴリー選定などをおこなっている。
【講義内容】地球上には約1000万種の生物種が生息しており、そのうち4万種が絶滅危惧種に指定されています。これら絶滅危惧種を保全するために生育環境の保全が必要ですが、絶滅危惧種はここ20年で4倍にも増加しました。本講義では、生物多様性と直近の経済活動とのバランスをどうすべきかを議論します。また、多様な生物種がもつ多様な性のかたちや性スペクトラムについて概説し、“多様性”をキーワードに理想の未来像を考えます。[キーワード]生物多様性、多様な性のかたち、絶滅危惧種、マリモ、性スペクトラム
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04⑩7月22日(土)SDGsについて学ぶ ①③⑩「『貧困とは何か?』を考えてみる」
三宅 雄大 [お茶の水女子大学 基幹研究院 人間科学系 助教]
【プロフィール】2018年に首都大学東京(現東京都立大学)人文科学研究科の博士後期課程を修了(博士:社会福祉学)。立教大学コミュニティ福祉学部助教を経て、2021年より現職。専門分野:社会政策、社会保障、社会扶助。とりわけ、生活保護世帯における大学等就学に焦点化した制度研究・調査研究を行っている。
【講義内容】SDGsの掲げる17の目標には、気候変動やジェンダー平等に関する目標と並んで、貧困問題に関する目標―「あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる」(Goal 1)―が含まれています。それでは、ここで「終わらせる」対象とされている「貧困」とは何なのでしょうか?この講義では、そもそも「貧困とは何か?」という問いを起点に、現代日本という文脈における貧困問題と社会保障(とりわけ社会扶助)の在り方について考えてみたいと思います。[キーワード]貧困、低所得、社会保障、社会福祉、生活保護
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05⑫9月2日(土)SDGsについて学ぶ ③⑤⑩「〈健康〉と〈病い〉から読み解く近現代社会の課題」
宝月 理恵[お茶の水女子大学 グローバルリーダーシップ研究所 特任講師]
【プロフィール】2008年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(社会科学)。シカゴ大学人類学部客員研究員、お茶の水女子大学リーダーシップ養成教育研究センター(現グローバルリーダーシップ研究所)特任講師を経て現職。専門分野:医療社会学、近代衛生史
【講義内容】新型コロナウイルスの世界的大流行は、さまざまな社会問題に光を当てる契機となりました。「健康」や「病い」は単に医学的、生理学的な現象に還元・限定されるものではなく、私たちの生きる時代や文化の規範・慣習と深く結びついた社会現象の一つとして捉えることができます。本講座ではSDGsの目標3・5を念頭に置きつつ、誰もが当事者たり得る「健康」や「病い」を導きの糸として、近現代社会におけるジェンダーや健康格差等について具体的に考え、議論する機会にしたいと思います。[キーワード]健康、感染症、衛生、ジェンダー、格差
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06⑬9月9日(土)SDGsについて学ぶ ⑦⑪⑫「グローバル資本主義とホームとしての地球(グローブ)」
水野 勲[お茶の水女子大学 基幹研究院 人間科学系 教授]
【プロフィール】能登半島の小さな町で高校時代まで過ごしました。大学は工学部化学工学科、理学部地理学科を両方卒業し、現在の専門は経済地理学です。子供時代の地図帳の熟読から、地形図の読解、そして地図をもって町を歩くなどしつつ、資本主義の経済システムが地理的不均等を拡大させる過程を考察してきました。実家の裏山を越えると、そこには原発があり、私の頭は地球史の検討に向かいます。
【講義内容】SDGsで掲げられた現代世界の難問は、エコノミー(経済)、エコロジー(生態)、エクメーネ(住処)の関係の再定義なしには、解決できないように思われます。2011年に日本で起きた原発の過酷事故は、これら3つの概念を問い直す良い練習問題となっています。グローバルな関心とグローブそれ自体への関心を区別しつつ、SDGsの課題を考えます。[キーワード]エクメーネ、原発事故、多様な経済、地球史